中小企業や小規模事業者がDX推進を行うにあたって活用できる補助金・助成金をまとめました。
国の補助金制度
2021年時点で、DX推進のためのデジタルツール導入や専門家招聘に使える補助金は大きく4つあります。

それぞれの特徴について解説していきます。
IT導入補助金
IT導入補助金は企業の業務効率化・売上アップをサポートすることを目的としてITツールの導入を支援する補助金です。
ITツールがもつ機能(業務プロセス)やその数により受けられる補助額や補助率が決まります。

IT導入の目的や導入ツールによって、通常枠(A類型・B類型)、低感染リスク型ビジネス枠(C類型・D類型)の計4種類に分かれています。
新型コロナウイルス感染症の流行が継続している中で、ポストコロナの状況に対応したビジネスモデルへの転換に向けて、労働生産性の向上とともに感染リスクに繋がる業務上での対人接触の機会を低減するような業務形態の非対面化に取り組む中小企業・小規模事業者等に対して、通常枠(A・B類型)よりも補助率を引き上げて優先的に支援されます。
IT導入補助金の対象となる事業者
中小企業・小規模事業者等(飲食、宿泊、卸・小売、運輸、医療、介護、保育等のサービス業の他、製造業や建設業等も対象)
【申請要件】
・国内に所在する中小企業等であること。
・労働生産性計画数値は1年目3%以上、3年目9%以上で策定。
・労働生産性計画数値、給与支給総額、事業所内最低賃金の報告必須。
・事前にgBizIDとSECURITY ACTION宣言の取得が必要。
・補助金受給後、3年間にわたって労働生産性の効果報告が必須(年1回)など
IT導入補助金で補助される金額
【A類型】
業務プロセス1以上必要
補助額:30~150万円未満
補助率:1/2以内
【B類型】
業務プロセス4以上必要
補助額:150~450万円以下
補助率:1/2以内
【C-1類型】
業務プロセス2以上必要
補助額:30~300万円未満
補助率:2/3以内
【C-2類型】
業務プロセス2以上必要
補助額:300~450万円以下
補助率:2/3以内
【D類型】
業務プロセス2以上必要
補助額:30~150万円以下
補助率:2/3以内
【補助対象経費】
A・B類型:ソフトウエア費、導入関連費等
C・D類型:ソフトウェア費、導入関連費、ハードウェアレンタル費
事業再構築補助金
ウィズコロナ・ポストコロナの時代の経済社会の変化に対応するために新分野展開、業態転換、事業・業種転換、事業再編などの思い切った事業再構築を行う中小企業等を支援するための補助金です。

- 衣服販売業→衣料品のネット販売やサブスクリプション形式のサービス事業に業態を転換する。
- 伝統工芸品製造→百貨店などでの売り上げが激減したため、ECサイト(オンライン上)での販売を開始する。
事業再構築補助金の対象となる事業者
日本国内に本社を有する、コロナの影響で厳しい状況にある中小企業、中堅企業、小規模事業者、個人事業主、企業組合等
【主な申請要件】
・売上が減っていること
※2020年10月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前(2019年又は2020年1~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少している必要があります。
・事業再構築に取り組むこと
・認定経営革新等支援機関と事業計画を策定すること
※補助事業終了後3~5年で、付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加、または従業員一人当たり付加価値額の年率平均3.0%(一部5.0%)以上増加の達成を見込む事業計画を策定する必要があります。
事業再構築補助金で補助される金額
補助額:100万円~1億円
補助率:1/2~3/4
設備投資などの取り組み費用の最大2/3(上限1億円)、緊急事態宣言特別枠では最大3/4(従業員規模に応じて上限500万円~1,500万円)が補助されます。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金
ものづくり補助金は中小企業が経営革新のための設備投資等に使える補助金で、一般型は、上限1,000万円、補助率1/2(低感染リスク型ビジネス枠・小規模事業者は 2/3)の支援が受けられます。

ものづくり補助金の対象となる事業者
中小企業・小規模事業者
【補助要件】
以下を満たす3~5年の事業計画の策定及び実行
・付加価値額 +3%以上/年
・給与支給総額+1.5%以上/年
・事業場内最低賃金≧地域別最低賃金+30円
ものづくり補助金で補助される金額
【補助対象経費】
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、原材料費、外注費、知的財産権等関連経費、海外旅費(グローバル展開型のみ)、広告宣伝・販売促進費(低感染リスク型ビジネス枠のみ)
【一般型】 補助上限:1,000万円(グローバル展開型:3,000万円)、補助率中小1/2、小規模2/3
【低感染リスク型ビジネス枠】補助上限:1,000万円 補助率:2/3
小規模事業者持続化補助金
「小規模事業者持続化補助金」は商工会議所の支援を受けながら実施する、地道な販路開拓等や業務効率化(生産性向上)のための取組を支援する補助金です。

小規模事業者持続化補助金の対象となる事業者
商工会議所の支援を受ける小規模事業者
- 商業・サービス業(宿泊・娯楽業除く):常時使用する従業員の数 5人以下
- サービス業のうち宿泊業・娯楽業、製造業その他:常時使用する従業員の数 20人以下
小規模事業者持続化補助金で補助される金額
補助上限額:50万円
補助率:2/3
自治体の補助金制度
国の補助金の他に、各自治体で公募される補助金もあります。
なかにはIT活用やDX推進に関わる補助金もあるため、「会社が属する自治体名 補助金」などで検索するとよいでしょう。
ここでは一例として、自治体の補助金を紹介します。(自治体からの補助金はこれに限らず順次更新されます。)
鳥取県:県内企業DX導入加速化補助金
対象事業:外部専門家等の助言を受け、県内ICT企業と連携して、デジタル技術及びデータ等を活用するシステム導入等及び事業者内におけるDX推進人材を育成する取組
補助対象者:鳥取県内の製造業
補助上限額:500万円
補助率:2分の1
補助対象経費:外部専門家活用費、DX推進人材育成費、システム等利用・整備・機器導入費等
やまぐち産業振興財団:中小企業DX推進補助金
対象事業:生産性向上や既存ビジネスの変革等を目指した情報処理システム構築の取組
募集期間:令和3年8月17日(火)~9月15日(水)17時15分必着
補助金額:1,500千円(補助率1/2)
長崎県DXアドバイザー招へい事業補助金
補助対象:DX 推進に必要な専門家の招へいに要する経費(謝金、旅費、委託料、アドバイスに要する機材・システムの使用料等)が補助対象。
補助率:2 分の1以内
補助限度額:(下限)30万円 (上限)100万円
まとめ:活用できる補助金は探せば意外とあるものです
生産性の向上や製品・サービスの高付加価値化だけでなく、新型コロナ対策としてもDX推進は有効です。
活用できる制度をうまく使って導入にかかるコストを減らしてみてはいかがでしょうか。
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